更新2026-10-02

実家じまいの進め方

空き家の雪下ろしは所有者の責任|県外在住でも同じ・落雪の賠償・雪の前の段取り

空き家の雪下ろしの責任は所有者にあり、県外在住でも同じです。落雪の損害賠償、長岡市・上越市・十日町市の支援制度(空き家は対象外のことも)、雪の前の段取りを県・市・国の公式情報で整理。

更新日: 2026-10-02

結論:空き家の雪の責任は所有者。県外に住んでいても同じです

新潟県は、空き家の管理は所有者の責任としています。国土交通省の資料も、民間の空き家は基本的に所有者自らの責任で管理するものとしています。

公的な支援制度の多くは、いま住んでいる世帯が対象です。空き家になった実家は、対象外になる場合があります。

そのため、雪が降る前に次を決めます。

  1. 屋根の雪を見る人(親族・近所・業者)
  2. 近所に渡す自分の連絡先
  3. 片付けと搬出の日程(雪の前に終える)

この記事で分かること

  • 空き家の雪下ろしは誰の責任か(県・市・国の案内と、法律の一般論)
  • 落雪で隣家に被害が出たときの考え方
  • 長岡市・上越市・十日町市の公式な支援制度と、使えない場合があること
  • 雪の前にやることの時期表
  • 雪下ろしの業者費用について、確認できたこと・できなかったこと

親が施設に入ったり、亡くなったりして、実家が空き家になった。そこへ冬が来ると、雪の問題が出てきます。

県外に住んでいると、屋根の雪を誰が見るのか、落ちたらどうなるのか、心配になります。この記事では、公式ページにある情報だけで整理します。法律の判断は一般論にとどめます。個別の事情は、専門家や市の窓口に相談してください。

空き家の雪下ろしは誰がやる?

結論として、空き家の雪の管理は、所有者の責任とされています。

新潟県は、空き家について「空き家の管理は所有者の責任です。雪による事故等で周辺に迷惑を及ぼすこともあるため、適切に管理を行って下さい」と案内しています。適切に雪処理されていない空き家には落雪や倒壊の危険があるとして、雪の積もった空き家に近づかないよう呼びかけています。

新潟県住宅の屋根雪対策条例のページでは、空き家の所有者や管理者に、屋根雪下ろしなどの必要な管理を求めています。倒壊して隣家の住民に危害を及ぼすおそれがあるためです。

新潟市の管理責任のページは、倒壊や外壁材の落下で損害が出ると、所有者が損害賠償の責任を負う場合があるとしています。根拠として民法717条を示しています。冬の屋根雪や落氷については、こまめな雪下ろしと落雪防護策を勧めています。

これは法律の一般論です。名義がまだ整理できていない場合や、相続人が複数いる場合の責任の考え方は、弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。

落雪で隣家に被害が出たら、どうなる?

新潟市は、倒壊や外壁材の落下で損害が出ると、所有者が損害賠償の責任を負う場合があると案内しています。根拠は民法717条です。

十日町市も、管理が不十分な空き家で、屋根が傷んだり倒壊したりした例を挙げています。所有者の損害賠償責任が生じる可能性にも触れています。

雪が自然に落ちる「自然落雪式」の家は、落雪が道路や隣の家に及んでいないかを、定期的に確認する必要があります。十日町市は、これを所有者への依頼事項に挙げています。

国の資料では、空き家の雪はどう扱われる?

国土交通省の資料「市町村による空き家等の除雪等の考え方」(平成28年度版)は、次のように整理しています。

  • 民間の空き家は、基本的に所有者自らの責任で管理するもの
  • 市町村は、平時から所有者を特定し、所有者の責任で除雪させる取り組みが必要
  • 災害が起きそうなとき、または起きているときで、緊急の必要があると市町村長が認めた場合は、空き家に立ち入って雪下ろしができる(災害対策基本法64条1項)
  • 後日、所有者が判明した場合は、除雪に要した経費を所有者に請求できるのが原則

県外にいて連絡がつかないままだと、市が応急の措置を取る場合があります。その経費を、後日請求される可能性があります。

この資料は平成28年度版です。いまの運用は、市町村の窓口で確認してください。

空家法は、冬の空き家にどう関わる?

国土交通省は、2023年の空家法の改正を説明しています。「特定空家」になる前の空き家も、「管理不全空家」として市区町村の指導の対象になりました。指導に従わず勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。

適切に管理されていない空き家は、市の指導の対象になる場合があります(判断は市が行います)。長岡市も、空き家の冬期間の危険として、積雪による倒壊や落雪のリスクが高まることを挙げています。

雪はどれくらい危ない?

長岡市は、屋根や付属物(庇、車庫、物置、アーケード、雁木など)について案内しています。積雪が増えると急激に荷重が増し、倒壊の危険性が高まります。見た目では積雪の重さが分かりにくいため、県の「雪おろシグナル」(積雪重量分布情報)を勧めています。

新潟県は、積雪量の目安として次を挙げています。

  • 木造住宅では、ふすまや障子などの建具の開閉がスムーズでなくなったとき
  • 設計積雪量の表示板がある場合は、その値
  • 雪の密度は、1立方メートルあたり300kgで計算する(積雪1mで屋根1平方メートルに300kg)

遠方にいると、建具の開閉は確認できません。この点が、空き家の雪管理が難しい理由です。

十日町市は、雪の状態(新雪、しまり雪、ざらめ雪)で重さが違うと説明しています。設計積雪量の範囲内でも、除雪が必要な場合があるとしています。管理が難しいときは、降雪前に親族、近所、建築業者に相談するよう案内しています。窓口は、建設部都市計画課の特定空家対策係(025-755-5216)です。

自分で雪下ろしをしてもよい?

自分でやる場合は、事故に注意してください。新潟県は、令和6年度の雪下ろし等の除雪作業による人的被害が137件あったとしています。県は、除雪作業中の死亡事故の多くが、一人での作業中に発生していると説明しています。

新潟県の合言葉は、「一人でしない」「無理しない」「落雪・転落 気をつけて」です。県が示す主な注意点は次のとおりです。

  • 2人以上で作業する(やむを得ず一人のときは、周りに声をかける)
  • 高所作業では、ヘルメットと命綱などを使う
  • はしごは確実に固定し、先端を軒先より60cm以上高くする
  • 軒下では落雪に注意し、無理をせず休む

慣れていない人が、帰省したついでに屋根に上がるのは避けてください。長岡市も、安全装備の使用、はしごの固定、立入禁止の措置、専門業者への依頼の検討を勧めています。

業者に頼む場合、費用はいくら?

屋根の雪下ろしを業者に頼む場合の費用について、公式・公的な目安は、今回の調査では確認できませんでした。

※確認中: 新潟県内の市町村・県が公表している、屋根雪下ろしの業者費用の目安

民間のサイトには料金の例が出ていることがありますが、この記事では扱いません。屋根の形、積雪量、軒の高さ、作業人数、処分する雪の量で変わるためです。次のことを確認して、複数社から見積りを取ってください。

  • 作業範囲(屋根全体か、一部か。軒下や周囲の雪も含むか)
  • 積雪量が増えた場合の追加料金の条件
  • 命綱や墜落防止の対策を行うか
  • 作業後の写真や報告の有無
  • 事故や破損があった場合の保険

公的な支援制度は使える?

ここが、実家じまいで見落としやすい点です。**多くの制度は、「今そこに住んでいる世帯」や「居住している住宅の所有者」が対象です。**空き家になった実家は、対象外になる場合があります。

長岡市

  • 要援護世帯除雪費助成事業(令和8年度):次のような世帯が対象です。自力で除雪が困難なこと。世帯全員が住民税均等割のみ課税または非課税であること。親族から労力・経済的援助が受けられないこと。屋根除雪の助成は、1回あたり24,300円が上限です。助成の回数は、地域により一冬に3〜4回です。事前の登録が必要で、令和8年度の登録申請期限は12月9日(水)です。
  • 屋根雪下ろし命綱固定アンカー設置補助金:一般世帯は対象経費の2分の1(最大5万円)です。要援護世帯は3分の2(最大8万円)、非課税等の要援護世帯は10分の9(上限10万円)です。受付は令和8年4月1日〜11月30日(郵送は当日消印有効)です。対象は、市内に居住している住宅の所有者などとされています。

※確認中: 長岡市の助成・補助が、居住していない空き家の所有者に使えるか(市の窓口に確認)

上越市

  • 要援護世帯除雪費助成事業:市民税所得割が非課税の高齢者世帯などが対象です。助成の限度額は、市内一律で一世帯126,000円と掲載されています。掲載ページに年度の表記は確認できませんでした。申請は民生委員・児童委員を通じて行います。

※確認中: 上越市の令和8年度の通常期の助成限度額

  • 同ページには、施設入所等で、実際には住民票上の住所に生活していない世帯は対象外と書かれています。将来帰宅する見込みがない場合です。親が施設に入って実家が空き家になると、対象外になる場合があります。
  • 親族(直系の親族、兄弟姉妹)が行う除雪は、助成の対象外です。
  • 大雪で県の災害救助条例や国の災害救助法が適用された場合は、別の扱いになります。限度額は1世帯あたり148,600円です(令和8年度)。

十日町市

  • 要援護世帯除排雪援助事業:70歳以上のみの高齢者世帯などが対象です。世帯全員が市民税非課税などの要件があります。雪下ろしをする屋根への援助額は、多雪区域で年間40,000円、その他の区域で年間35,000円と掲載されています。掲載ページの更新日は2023年12月18日です。

※確認中: 十日町市の最新年度の援助額

  • 雪おろし作業費補助:墜落防止器具の取付設備がある住宅の「所有者」または「居住者」が対象です。業者に依頼して、墜落防止器具を使って行う雪おろし作業が補助されます。上限は1シーズン3万5千円(千円未満切り捨て)です。自分や親戚が行う作業は対象外です。申請受付は令和8年7月13日〜12月25日です。

制度の内容、金額、期限は、年度ごとに変わります。必ず各市の最新ページを確認してください。

新潟県

新潟県は、落雪や倒壊の危険がある空き家について、お住まいの市町村へ連絡するよう案内しています。県の窓口は、土木部都市局の都市政策課(025-280-5428)です。除雪に関する技術的な助言は、建築住宅課に相談できます。

除雪相談窓口:県は、雪下ろしが難しい高齢者や障害のある方などの世帯向けに、市町村の窓口の一覧を公開しています(令和7年度、2025年12月15日更新)。支援の内容は市町村で違い、除雪費の助成や除雪の手配などです。住宅の雪下ろしに対応していない市町村もあります。問い合わせは、県の福祉保健総務課(025-280-5176)です。

※確認中: 空き家になった実家で、この相談窓口が使えるか(市町村の窓口に確認)

冬の前に、何をしておくべき?

雪が降る前にできることを整理します。

  1. 管理の担当を決める。 誰が、いつ、屋根の状態を見に行くのか。親族で決めます。
  2. 近所に連絡先を渡す。 新潟市は、地元の自治会・町内会・近隣の方に連絡先を伝え、問題があったときに対応できるようにすることを案内しています。
  3. 見守りを検討する。 長岡市は、遠方の所有者向けに、ふるさと納税による「空き家・空き地の見守りサービス」を案内しています。提供は長岡市シルバー人材センターで、ふるさと納税サイトから申し込みます。
  4. 空き家の方針を早めに決める。 売る・貸す・使う・解体するのどれにするか。冬を越す前に決められると、雪の負担が減ります。比べ方は、新潟の実家が空き家になったら|売る・貸す・壊すの比べ方と、使える制度 にあります。
  5. 片付けの日程は、雪の前に。 実家じまいの作業は、雪が降る前に搬出まで終えるほうが、作業も安全面も楽です。日程の立て方は、遠方・県外から新潟の実家を片付ける段取りにあります。

冬に作業する場合は、駐車場所や搬出経路の雪、業者の追加料金の条件を、見積りの段階で確認してください。

雪の前にやることは、いつまでに?

上で紹介した制度の受付期間を、時期で並べました。令和8年度(2026年度)の公式情報です。

時期 やること 根拠
〜11月30日 長岡市の命綱固定アンカー設置補助金の受付(4月1日〜)。対象は、市内に居住している住宅の所有者など 長岡市
〜11月 片付けと搬出を終える。管理の担当と近所への連絡先を決める 当サイトの目安
12月1日ごろ 県が降積雪期を前に、雪への備えと事故防止を呼びかける(2025年は12月1日) 新潟県
12月9日(水) 長岡市の要援護世帯除雪費助成事業の登録申請期限 長岡市
〜12月25日 十日町市の雪おろし作業費補助の受付(7月13日〜) 十日町市

空き家が、これらの対象になるかは、各市の窓口で確認してください。

水道は、凍結にも備えます。新潟市は、長期不在のときは止水栓を閉めておくと安心と案内しています。

よくある質問

空き家の雪下ろしは、誰がやるものですか?

所有者の責任です。新潟県は「空き家の管理は所有者の責任です」と案内しています。自分で行けない場合は、親族、近所、建築業者などに降雪前に依頼します。

空き家の屋根の雪が落ちて、隣の家や通行人に被害が出たら、責任は誰にありますか?

新潟市は、損害が出ると所有者が損害賠償の責任を負う場合があると案内しています。根拠は民法717条です。個別の事情は、弁護士などの専門家に相談してください。

遠方に住んでいて、雪下ろしに行けない場合はどうすればよいですか?

雪が降る前に、管理の担当を決めます。近所に連絡先を渡し、業者の見積りを取り、見守りサービスも検討します。長岡市は、ふるさと納税による見守りサービスを案内しています。

空き家の雪下ろしに、補助金は使えますか?

多くの制度は、いま住んでいる世帯や、居住している住宅の所有者が対象です。空き家は対象外になる場合があります。上越市は、施設入所などで実際に生活していない世帯は対象外としています。

雪下ろしの費用は、いくらですか?

公式・公的な目安は、今回の調査では確認できませんでした。屋根の形や積雪量で変わるため、複数社の見積りで比べます。

空き家を放置して雪で倒壊したら、どうなりますか?

周囲に被害が出れば、損害賠償の責任が生じる場合があります。また、管理が不十分な空き家は、空家法で指導や勧告の対象になります。勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が受けられなくなります。

実家じまいは、冬の前に終えたほうがよいですか?

雪の前に搬出まで終えるほうが、作業も安全面も楽です。11月中の完了を目標にする日程の立て方は、遠方・県外から新潟の実家を片付ける段取りにあります。

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出典

確認日は、2026-10-01と2026-10-02です。

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