更新2026-10-03

実家じまいの進め方

遺品整理はいつから?期限のある手続きが先|相続放棄3か月・捨ててはいけない物・四十九日

遺品整理に公的な開始期限は確認できません。先に来るのは相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月の期限です。捨ててはいけない物と遺言書の扱いを公式情報で整理します。

更新日: 2026-10-03

結論:期限のある手続きを先に確認し、物の処分は後にします

遺品整理を始める時期について、公的機関が定めた決まりは確認できませんでした。ただし、手続きの期限は先に来ます。相続放棄は3か月、準確定申告は4か月、相続税の申告は10か月です。四十九日を目安にする家庭は多いですが、宗派や地域で違います。遺言書、通帳、権利証、契約書、鍵、スマホ、写真は捨てずに取っておきます。遺言書は、勝手に開封してはいけません。

法律と税の内容は一般論です。個別の判断は、裁判所、税務署、弁護士、司法書士、税理士に確認してください。内容は2026年10月3日の確認時点です。

この記事で分かること

  • 遺品整理を始める時期の考え方と、先に来る法的な期限
  • 捨ててはいけない物のリストと、遺言書を見つけたときの扱い
  • 新潟市・長岡市のごみ出しルールと、重要な物を混ぜない順番

早見表:遺品整理と一緒に見ておく期限

期限 手続き 数え始める日 出典
すみやかに 年金を受けていた人の死亡の届出 亡くなったとき 日本年金機構
3か月以内 相続放棄・限定承認の申述 自己のために相続の開始があったことを知った時 裁判所
4か月以内 準確定申告(亡くなった年の1月1日から死亡日まで) 相続の開始があったことを知った日の翌日 国税庁
10か月以内 相続税の申告と納税(必要な場合) 亡くなったことを知った日の翌日 国税庁
3年以内 不動産の相続登記 所有権の取得を知った日 法務省

遺言書がある場合は、家庭裁判所の検認が先に必要になることがあります。検認の期限は、民法に「遅滞なく」とだけ書かれています。

遺品整理はいつから始める?

宗教的な一般論:四十九日を一区切りにする家庭が多い

一般に、仏教では四十九日の法要を一区切りとします。その後に形見分けや片付けを進める家庭が多いとされます。

ただし、これは慣習です。法律や行政の決まりではありません。神道、キリスト教、無宗教の場合は、考え方が違います。

菩提寺がある場合は、お寺に聞くのが確実です。

先に来るのは、法的な期限です

遺品整理の開始日には決まりがありません。一方で、相続に関わる期限は、亡くなった日や知った日から数え始めます。

四十九日まで何も触らなくても、期限は進みます。反対に、期限の前に物を処分すると、あとで困ることがあります。

順番の目安は次のとおりです。

  1. 期限のある手続きを書き出します。
  2. 手続きに使う書類と、財産が分かる物を探します。
  3. その後に、生活用品や不用品を整理します。

賃貸住宅の場合は、契約が先です

故人が賃貸住宅に住んでいた場合は、家賃が発生し続けます。契約書で、解約の予告期間と退去の条件を確認します。管理会社や大家さんに連絡して、片付けの期限を相談します。

期限を一つずつ確認します

3か月:相続放棄と限定承認

裁判所の案内によると、相続人は3つの方法から選べます。すべてを引き継ぐ単純承認、一切引き継がない相続放棄、得た財産の範囲で債務を負う限定承認です。

放棄や限定承認は、家庭裁判所への申述が必要です。期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です。

財産を調べても、承認か放棄かを決められない場合は、期間を延ばす申立てができます。この申立ても、3か月以内に行います。

民法915条2項は、承認や放棄の前に、相続財産の調査ができると定めています。調べることと、処分することは別です。

相続財産を処分すると、単純承認したものとみなされる場合があります(民法921条)。保存行為などは例外ですが、どこまでが処分かは個別の判断です。放棄の可能性が少しでもあるなら、処分の前に専門家へ相談してください。詳しくは相続放棄をするなら遺品整理に注意にまとめています。

4か月:準確定申告

国税庁の案内では、年の途中で亡くなった人の所得は、相続人が申告します。対象は1月1日から死亡日までの所得です。提出先は、亡くなった人の死亡時の住所地を管轄する税務署です。

期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。申告が必要かどうかは、国税庁のページか税務署で確認します。

10か月:相続税の申告

相続税の申告と納税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。提出先は、亡くなった人の住所地の税務署です。

申告が必要なのは、取得した財産の合計が基礎控除額を超える場合です。合計が基礎控除額の範囲内なら、申告も納税も不要と案内されています。

3年:相続登記

令和6年4月1日から、相続登記が義務になりました。不動産を相続で取得したと知った日から3年以内に申請します。

正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。令和6年4月1日より前に相続した不動産も、令和9年3月31日までの登記が必要と、法務省は案内しています。実家が空き家になる場合も同じです。不動産の情報が分かる書類は、残しておきます。

すみやかに:年金の届出

日本年金機構は、年金を受けている人が亡くなったら、すみやかに届け出るよう案内しています。届出が遅れると、年金を受け取りすぎて、あとで返す場合があります。

未支給年金は、生計を同じくしていた遺族が請求できる場合があります。年金関係の書類は、手続きが終わるまで捨てません。

捨ててはいけない物のリスト

遺品整理では、ごみに見える書類の中に、大切な物が混ざります。次の表は、手続きや相続で使う可能性が高い物です。

物 取っておく理由 扱い
遺言書、エンディングノート 相続の進め方に関わります 開封せず保管します。検認が必要な場合があります
権利証、登記関係の書類、固定資産税の通知書 不動産の特定と相続登記に使います 一式を一か所に集めます
通帳、キャッシュカード、印鑑、証券の書類 財産の把握に使います 引き出さず、記録だけ取ります
保険証券、保険会社からの郵便 受取人や請求の手がかりです 郵便物も取っておきます
年金の書類、マイナンバー関係、保険証 届出や返却の手続きに使います 手続きが終わるまで保管します
契約書、請求書、督促状、借用書 借金や契約の有無を知る手がかりです 見つけたら捨てずに専門家へ見せます
賃貸借契約書、ローン、リース、クレジットの書類 解約や支払いが続く場合があります 契約先を一覧にします
鍵(実家、金庫、貸金庫、車) 保管物や財産に近づく手段です 鍵だけを別の袋に分けます
スマホ、パソコン、外付けハードディスク ネット上の財産や契約の手がかりです 初期化せず、慎重に扱います
写真、アルバム、手紙、日記 形見として大切にされます 家族の了承を得るまで残します
現金、貴金属、着物、骨董、美術品 財産に当たる可能性があります 価値が分からない物は処分しません

スマホ・パソコンは、特に注意が必要です

国民生活センターは、デジタル遺品に関する相談を紹介しています。故人のスマホやパソコンのパスワードが分からないと、第三者がロックを解除するのは難しいとされています。

事例として、ネット銀行の契約先が分からない、サブスクの請求を止められない、などが挙がっています。機器は、初期化や廃棄をせず、まず取っておきます。困ったときは、消費者ホットライン188に電話すると、お近くの消費生活相談窓口を案内してもらえます。

遺言書を見つけたら、開封せずに裁判所へ

勝手に開封してはいけません

民法1004条は、遺言書の保管者や、遺言書を発見した相続人に、家庭裁判所での検認を請求するよう定めています。「遅滞なく」行います。

封印のある遺言書は、家庭裁判所で、相続人またはその代理人の立会いのもとで開封します。民法1005条には、家庭裁判所の外で開封した場合の過料(5万円以下)が書かれています。

検認は、遺言の内容を相続人に知らせ、偽造や変造を防ぐ手続きです。遺言の有効性を判断する手続きではないと、裁判所は案内しています。

検認が不要な場合

公正証書遺言は、検認が不要です。法務局で保管されている自筆証書遺言も、検認は不要と案内されています。

種類が分からないときは、開封せずに、裁判所や法務局、専門家へ聞いてください。

迷う物は「3つの箱」で分けます

遺品整理で迷う物が多いときは、箱を3つ用意します。

  • 残す箱:上の表の物、形見、価値が分からない物
  • 迷う箱:判断を保留する物。期限と見直す日を決めます
  • 処分する箱:誰が見ても不要と分かる物(食品、日用消耗品など)

処分する箱に入れる前に、ポケットや引き出しの奥を確認します。迷う箱は、期限のある手続きが終わるまで、処分しません。

新潟市・長岡市のごみ出しとの兼ね合い

不用品をごみに出すときは、市のルールに沿います。重要な物が混ざっていないか確認してから出します。

新潟市

新潟市の粗大ごみは、先に申し込み、処理券(100〜500円)を貼って出します。収集は、申込後3日〜1週間以降が通常です。家庭ごみの持ち込みは、10kgまでごとに100円です。

家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)とパソコンは、市のごみとしては出せません。詳しくは新潟市の粗大ごみの出し方を見てください。

長岡市

長岡市の粗大ごみは、事前申込制です。1回の収集は5点までです。手数料は、200円、600円、1,000円の3段階です。

粗大ごみの持ち込みは、中之島信条クリーンセンターだけです。前日までの電話連絡が必要です。詳しくは長岡市の粗大ごみの出し方を見てください。

無許可の回収業者に注意します

環境省は、家庭の廃棄物を回収できるのは、一般廃棄物処理業の許可を持つ業者だけだと案内しています。産業廃棄物処理業や古物商の許可では、家庭の廃棄物は回収できません。

業者に頼む場合は、新潟市で遺品整理を頼むときと自分で出す?業者に頼む?を見てください。

よくある質問

Q 遺品整理は、四十九日までにしないといけませんか。 決まりはありません。公的機関が遺品整理の開始時期を定めたものは確認できませんでした。四十九日を目安にする家庭は多いですが、慣習です。賃貸住宅の場合は、契約上の退去期限が優先されます。

Q 遺品整理の前に、相続放棄を考えたほうがよいですか。 放棄の可能性があるなら、処分の前に考えます。相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内です。財産を処分すると、単純承認とみなされる場合があります(民法921条)。迷うときは、専門家に先に相談してください。

Q 封筒に入った遺言書を見つけました。開けてもよいですか。 開けずに、家庭裁判所に検認を請求します。封印のある遺言書は、家庭裁判所で、相続人等の立会いのもとで開封します。家庭裁判所の外で開封すると、5万円以下の過料の規定があります。公正証書遺言や、法務局保管の自筆証書遺言は、検認が不要です。

Q 通帳を見つけたら、お金を引き出してよいですか。 引き出しは避けてください。相続財産の処分にあたる可能性があります。通帳は記録を取って保管し、口座の手続きは金融機関の案内と専門家の助言に沿って進めます。

Q 故人のスマホは、解約してもよいですか。 解約や初期化の前に、契約の内容を確認します。サブスクやネット銀行などの契約が残っている場合があります。国民生活センターは、パスワードが分からないとロック解除が難しいと案内しています。迷うときは、消費者ホットライン188に相談できます。

出典

確認日はすべて2026年10月3日です。

四十九日と形見分けの時期は、公的機関の資料ではなく、一般的な慣習に基づく説明です。

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