更新2026-10-02

実家じまいの進め方

親が施設に入ったら実家はどうする?|空き家にする前に決める5つのこと(新潟版)

親が老人ホームなどの施設に入ったあと、実家をどうするか。本人の意思、住民票・郵便・公共料金、施設費用、管理か売却か、成年後見まで、新潟の公式情報で整理します。相談先も掲載。

更新日: 2026-10-02

結論

親が施設に入っても、実家をすぐ手放す必要はありません。ただし、何も決めずに空き家にすると、困ることが増えます。先に決めるのは、次の5つです。

  1. 本人の意思を聞く
  2. 住所・郵便・公共料金を整理する
  3. 施設の費用と実家の維持費を並べる
  4. 実家を「管理する」か「手放す」かを決める
  5. 判断能力が下がる前に備える

この記事の説明は、一般論と公式の情報です。個別の事情で答えが変わります。税金や法律は、専門家にも確認してください。内容は2026年10月2日の確認時点です。

5つのことの早見表

決めること 先に確かめる点 主な相談先
本人の意思 家を残すか、誰に任せるか 本人と家族
住所・郵便・公共料金 住民票の扱い、郵便の転送、契約者 市の窓口、日本郵便
費用 施設の見積もり、実家の維持費 施設、地域包括支援センター
管理か手放すか 戻る可能性、冬の雪の管理 空き家の記事、専門家
判断能力への備え 任意後見、成年後見 司法書士、弁護士、法テラス

1 本人の意思を聞く

実家の名義は、多くの場合、親本人です。子が決められることは、思ったより少ないものです。

親が自分の言葉で話せるうちに、次のことを聞きます。

  • 実家に戻る可能性を、どう考えているか
  • 家を残したいか、手放してもよいか
  • 残したい物(写真、仏壇、通帳、印鑑など)
  • 判断が難しくなったとき、誰に任せたいか

聞いた内容は、メモや書面に残します。

法務省は、任意後見制度を説明しています。本人が判断能力のあるうちに、任意後見人と任せる内容を、公正証書の契約で決める制度です。本人の意思を尊重する仕組みです。

名義は、登記簿で確認できます。権利書の場所も、先に確かめます。

2 住所・郵便・公共料金を整理する

住民票

新潟市も長岡市も、住所が変わったときは14日以内の届出が必要と案内しています。

施設に入るときに住民票を動かすかどうかは、両市の案内ページに記載がありません。※確認中: 施設入所時の住民票の扱い 市の窓口で、入所の前に確認してください。

介護保険との関係

介護保険には「住所地特例」があります。施設に入って住民票を移しても、移す前の市町村が、引き続き保険者になる仕組みです。

新潟県のページは、次の施設を対象としています(2019年9月26日更新)。

  • 特別養護老人ホームなどの介護保険施設
  • 有料老人ホーム、軽費老人ホーム、養護老人ホームなどの特定施設
  • 特定施設の指定を受けていない賃貸借方式のサービス付き高齢者向け住宅(2015年4月以降)

入所予定の施設が対象かどうかは、施設か市に聞きます。※確認中: 入所予定の施設が住所地特例の対象か

郵便

日本郵便の転居届を出すと、届出から1年間、旧住所あての郵便物が無料で転送されます。登録まで、3〜7営業日かかります。本人確認の書類が必要です。

転送期間が終わると、郵便物は差出人に返されます。年金、保険、税金などのお知らせは、送り先の変更が必要な場合があります。各機関に確認してください。

公共料金

電気、ガス、水道、通信などは、実家で使い続けるか、止めるかを決めます。契約者の名義と、引き落とし口座も確認します。

新潟は、冬の凍結や雪の心配があります。新潟県の冬の空き家のページには、水道の扱いの記載がありません。水道は、長岡市水道局が、冬に長期間留守にするときは、止水栓を閉めて蛇口を開け、水を抜くよう案内しています。新潟市水道局も、冬の長期の留守では止水栓を閉めるよう案内しています。電気は、東北電力の場合、使用終了の申込みを廃止日の2営業日前までに行います。ブレーカーを落とすと給湯器の凍結防止機能が働かないため、電気を止めるときは水抜きとセットで考えます(長岡市水道局)。くわしくは、空き家を自分で管理する方法にまとめました。

3 施設の費用と実家の維持費を並べる

施設の費用

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」は、施設サービスの費用を次のように説明しています。

  • 介護サービスの費用の1割(一定以上の所得なら2割か3割)を負担する
  • 居住費、食費、日常生活費などが、別にかかる
  • 所得が低い場合は、居住費・食費の補助や、月の上限額の仕組みがある

施設の種類や部屋のタイプで、金額は変わります。入所予定の施設に、見積もりを出してもらいます。

実家の維持費

実家を残すと、次の費用が続きます。

  • 固定資産税
  • 火災保険
  • 電気・水道などの基本料金
  • 雪下ろしや草取りの費用

新潟県は、空き家の管理は所有者の責任だと注意を呼びかけています。落雪や倒壊の危険がある空き家は、周りの人にも影響します。

施設の費用と実家の維持費を、年単位で並べてみます。親の預貯金や年金でまかなえるかが、見えてきます。

4 実家を「管理する」か「手放す」かを決める

親が戻る可能性が高い場合 当面は、管理を続ける形が合います。通う人、頻度、冬の雪下ろしの担い手を決めます。

戻る可能性が低い場合 売る、貸す、壊すを比べます。比べ方は、次の記事にまとめています。

売る場合も、名義が親なら、売る契約をするのは親本人です。親が元気なうちに売るか、亡くなったあとに売るかで、税金の扱いが変わります。

親の存命中に売るときは、「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。住まなくなった家は、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。国税庁のNo.3302に説明があります。

ほかにも要件があります。個別の判断は、税務署や税理士に確認してください。

相続したあとに売る場合は、「空き家の3,000万円特別控除」があります。親が老人ホームなどに入所していたときの要件は、国税庁のNo.3307にあります。次のような条件です。

  • 要介護・要支援などの認定を受けた人が、対象の施設に入所していた
  • 入所の直前まで、その家が親の住まいだった
  • 入所後も、貸したり、事業に使ったりしていない
  • 昭和56年5月31日以前に建てた建物で、区分所有の建物ではない

詳しい要件は、国税庁のページで確認してください。

相続税の「小規模宅地等の特例」でも、入所後の自宅の敷地が対象になる場合があります。入所後に貸したり、事業に使ったりしないことなどが条件です。国税庁のNo.4124で確認できます。

家の中の物は、時間がかかります。片付けの費用は、次の記事を見てください。

5 判断能力が下がる前に備える

認知症になると、売却が難しくなる(一般論)

不動産を売るには、名義人本人が契約を結ぶのが原則です。認知症などで判断能力が不十分になると、本人が契約を結べない場合があります。

子であっても、親に代わって売る権限は、自動では持てません。委任や、後見の手続きが必要になるのが一般的です。

成年後見制度とは

成年後見制度は、判断能力が不十分な人を、法律の面で支える制度です。2つの種類があります。

種類 内容
法定後見 家庭裁判所が、後見人等を選ぶ。判断能力の程度で、後見・保佐・補助に分かれる
任意後見 本人が元気なうちに、公正証書で契約して決めておく

法定後見の申立ては、本人、配偶者、四親等内の親族などができます。申立先は、本人が実際に生活している場所を管轄する家庭裁判所です。どの裁判所が担当かは、新潟家庭裁判所の管轄区域の一覧表で確認できます。

居住用の不動産は、家庭裁判所の許可が必要

裁判所は、後見人等が本人の居住用不動産を処分するときは、家庭裁判所の許可が必要だと説明しています。許可を得ずに処分すると、その処分は無効です。

対象は、売却のほか、抵当権の設定、賃貸借、建物の取り壊しです。病院や施設に入所していて、今は住んでいない家も、対象に入ります。

つまり、親が施設に入り、判断能力が下がったあとでは、売却に家庭裁判所の許可が必要になる場合があります。時間がかかることがあります。

早めに専門家へ

判断能力が下がる前に、司法書士や弁護士に相談します。任意後見や、家族への委任の形を決めておく方法があります。どの方法が合うかは、状況で変わります。※確認中: 親の状況に合う手続き(専門家)

法務省は、成年後見制度の相談窓口を挙げています。地域包括支援センター、弁護士会、司法書士会、法テラス、社会福祉士会などです。

最初の相談先:地域包括支援センター

迷ったときは、地域包括支援センターが入口になります。高齢者とその家族の、公的な相談窓口です。

長岡市

  • センターは11か所
  • 相談できる内容:高齢者の総合相談(訪問あり)、消費者被害や虐待、介護保険、介護予防、認知症
  • 市の窓口:長寿はつらつ課(0258-89-7440)

新潟市

  • センターは30か所。担当は中学校区で決まる
  • 相談できる内容:介護保険の使い方、もの忘れや足腰の衰え、成年後見制度などの権利保護
  • 保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士などがいる

どのセンターが担当かは、親の住所で決まります。市の一覧ページで調べられます。

よくある質問

Q 親が施設に入ったら、実家はすぐ売るべきですか。 いいえ。すぐ手放す必要はありません。本人の意思と費用を確かめて、管理か手放すかを決めます。

Q 住民票は、施設に移すべきですか。 新潟市と長岡市の案内ページに、施設入所時の扱いの記載はありません。入所の前に、市の窓口へ確認してください。

Q 子どもが、親の実家を売れますか。 名義が親なら、売る契約をするのは親本人が原則です。判断能力が下がると、後見などの手続きが要る場合があります。

Q 認知症になったあとでも、売れますか。 後見人等が居住用の不動産を売るには、家庭裁判所の許可が必要です。時間がかかることがあります。

Q 施設の費用が心配です。軽くする制度はありますか。 所得などの条件で、居住費・食費の補助や、月の上限額の仕組みがあります。市の窓口や、地域包括支援センターに聞きます。

Q 最初に、どこへ相談すればよいですか。 地域包括支援センターが入口になります。法律や税金の個別の判断は、司法書士、弁護士、税理士へ相談します。

出典

(確認日: 2026-10-02)

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