実家じまいの進め方
新潟の空き家を買い取ってもらうには|買取と仲介の違い・再建築不可・査定書類
新潟の空き家を買取で売るか、仲介で売るか。違い、媒介契約の3種類、報酬の上限、再建築不可の確認方法、雪で傷んだ家の注意、査定前に用意する登記事項証明書や納税通知書などを、国・法務局・市の公式情報で整理します。
更新日: 2026-10-03
**結論:買取は不動産会社が買主になる売り方で、仲介は買主を探してもらう売り方です。**買取と仲介で、期間や価格にどれだけ差が出るかの公的な目安は、確認できませんでした。契約の前に、複数の会社で査定を取り、書面で条件を比べてください。自宅を不動産業者に売った契約は、クーリング・オフができません。査定の前には、登記事項証明書と固定資産税の納税通知書を用意します。
内容は、2026年10月3日時点の国・法務局・市の公式ページで確認できたものだけです。確認できなかった項目は「※確認中」と書きました。税金や法律の細かい点は、専門家に確認してください。この記事では、特定の買取会社を紹介しません。
この記事で分かること
- 買取と仲介の違い、媒介契約の3種類、仲介の報酬の上限
- 再建築不可の家や、雪で傷んだ家を売るときの確認点
- 査定の前に用意する書類と、取り方
買取と仲介の早見表
| 項目 | 買取 | 仲介 |
|---|---|---|
| 買主 | 不動産会社 | 主に個人(不動産会社が探す) |
| 報酬の仕組み | 国の報酬の上限は、仲介(媒介)の報酬が対象 | 国の告示で上限が決まっている |
| 決まるまでの期間 | 公的な目安は確認できず | 公的な目安は確認できず |
| 価格 | 公的な目安は確認できず。会社ごとに提示される | 買主しだい |
| 契約前の確認 | 価格の内訳と、引き渡しの条件を書面で確認 | 媒介契約の種類・期間・報酬を確認 |
期間と価格の公的な目安は、確認できませんでした。※確認中: 買取と仲介の価格差・期間の公的な目安
買取と仲介の違い
仲介:媒介契約は3種類
仲介で売るときは、不動産会社と媒介契約を結びます。種類は、一般・専任・専属専任の3つです。国土交通省の標準媒介契約約款では、次のとおりです。
| 種類 | 他社への重ねた依頼 | 自分で見つけた買主との直接契約 | レインズへの登録 | 業務の報告 |
|---|---|---|---|---|
| 一般 | できる | できる | 契約書で確認 | 契約書で確認 |
| 専任 | できない | できる | 契約の翌日から7日以内 | 2週間に1回以上 |
| 専属専任 | できない | できない | 契約の翌日から5日以内 | 1週間に1回以上 |
専任と専属専任の有効期間は、3か月以内です。レインズの期限に、休業日は入りません。
仲介の報酬には上限がある
仲介(媒介)の報酬は、国土交通省の告示で上限が決まっています。空き家は、特例があります。令和6年7月1日から、物件の価額が800万円以下の宅地や建物は、報酬の上限が33万円(消費税込)です。以前は400万円以下でした。買主からも受け取れるようになりました。
この特例を使うときは、媒介契約の前に、不動産会社が報酬額を依頼者に説明し、合意を取る必要があります。契約書に、特例の適用と金額が書かれているか確認してください。
買取:会社が自分で買う取引
買取は、不動産会社が自ら買主になります。買い取った家は、転売や再販されます。不動産流通推進センターの事例では、買取価格が低すぎる場合や、説明が足りない場合に、問題になった例が紹介されています。
買取の費用の扱いは、会社と契約書で決まります。次の点を、書面で確認してください。
- 買取の価格と、その内訳
- 引き渡しまでに所有者が負担する費用(家財の処分、測量、登記など)
- 引き渡し後の不具合について、売主がどこまで責任を負うか
最後の点は、契約書の書き方で変わります。内容が分かりにくいときは、専門家に見てもらってください。
契約の前に知っておくこと
国民生活センターは、自宅を不動産業者に売った場合、クーリング・オフはできないと説明しています。長時間の勧誘や、安い価格での売却を迫られた相談例も挙げています。
- 内容が分からないまま契約しない
- 納得できない条件は、契約の前に解決する
- 困ったときは、消費者ホットライン「188」に相談する
その場で決めず、家族や専門家と相談する時間を取ってください。
再建築不可の家は、まず確認から
「再建築不可」は、今の家を壊すと、新しい家を建てられない土地のことです。新潟市の公式ページは、敷地が建築基準法の道路に2メートル以上続けて接していないと、建てられないと説明しています。
確認の手順は、次のとおりです。
- 家の前の道が、建築基準法上の道路かどうかを、市の建築の担当課で調べます。照会の方法は市ごとに違います。※確認中: 道路種別の照会方法
- 道幅が狭い道は、セットバックが必要になる場合があります。
- 道路に接していない敷地は、市の認定や許可を受ければ、建てられる場合があります。
認定や許可の可否は、個別の判断です。買取や仲介の相談では、再建築不可の事実を、最初に会社へ伝えてください。再建築不可の家が、買取でどう扱われるかは、会社により異なります。※確認中: 再建築不可の家の買取の扱い
雪で傷んだ家は、先に安全を確保する
新潟県は、冬の空き家からの落雪や倒壊に注意を呼びかけています。所有者は、落雪や倒壊で人や物に被害が出ると、損害賠償を問われる場合があります。県は、雪が積もった空き家に近づかないよう、呼びかけています。
屋根雪の重さは、見た目では分かりません。十日町市は、雪の状態で重さが大きく変わると説明しています。新潟県は、佐渡市と粟島浦村を除く全域を、建築基準法の多雪区域に指定しています。
売るときの注意点は、次のとおりです。
- 雪で傷んだ箇所は、写真に残し、会社に隠さず伝える
- 冬の間の雪下ろしと管理の担い手を、売る前に決めておく
- 傷みが大きいときは、解体して土地で売る方法も比べる(下の「傷みが大きいときの選び方」を参照)
雪害を受けた家の価格の付き方は、公的な目安が確認できませんでした。※確認中: 雪害物件の査定の考え方
雪下ろしの制度は、次の記事にまとめています。
傷みが大きいときの選び方
小千谷市の公式ページは、解体費を出せない場合について、次のように案内しています。
- まず、建物が売却できるかを、不動産事業者に相談する
- 建物が老朽化して売却や譲渡が難しいときは、解体費を差し引いた金額で売る方法がある
- 金融機関によっては、空き家の解体ローンがある
これは小千谷市の案内です。ほかの市町村や会社の扱いは、個別に確認してください。解体の費用と手続きは、次の記事にあります。
査定の前に用意する書類
| 書類 | 取り方 | 公式に確認できたこと |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局の窓口・郵送・オンライン | 手数料は書面請求が600円、オンライン請求の送付が520円、窓口受取が490円(令和7年4月1日から) |
| 固定資産税の納税通知書 | 毎年、市から届く | 納税義務者が亡くなると、相続人が引き継ぎます。長岡市は、代表者の申告書で送付先が決まります |
| 資産評価等証明書・名寄帳 | 市の資産税課の窓口か郵送 | 長岡市は1枚300円(物件数などで変わる)。本人確認書類が必要。亡くなった方の分は、相続人が戸籍謄本などを示して請求する |
| 登記識別情報(権利証) | 手元の書類 | 売買の所有権移転登記では、原則、売主の登記識別情報が必要 |
| 相続を証明する書類 | 戸籍、遺産分割協議書など | 名義が故人のままなら、先に相続登記が必要 |
測量図、境界の資料、建築関係の書類は、会社により求めるものが違います。国や市の公式ページでは、一覧を確認できませんでした。会社に聞いてください。※確認中: 査定時に求められる測量図・建築関係書類
名義が亡くなった方のままなら、相続登記を先に済ませます。相続登記は、令和6年4月1日から義務化されています。相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請します。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります(法務省の説明)。
査定を受ける順序
- 登記事項証明書で、名義と抵当権を確認する。
- 納税通知書か評価証明で、土地と建物の範囲を確認する。
- 家の状態(雨漏り、雪害、境界の不安)をメモと写真にする。
- 買取と仲介の両方で、複数の会社に査定を頼む。
- 価格と条件を、書面で比べる。
- 条件に合意したら、売買契約を結ぶ。契約書は、事前に書面で受け取って読む。
- 代金を受け取り、引き渡す。売買の所有権移転登記には、原則、売主の登記識別情報が必要です。
売ったときの税金は、次の記事にまとめています。
新潟の空き家の買取のよくある質問
Q. 買取なら、仲介手数料はかかりませんか?
国の報酬の上限は、仲介(媒介)の報酬について決められています。買取は、会社が自ら買主になる取引です。ただし、ほかの費用の扱いは契約書で決まります。書面で確認してください。
Q. 専任媒介と一般媒介は、どちらがよいですか?
一般は、複数の会社に依頼できます。専任は、1社に任せる代わりに、レインズの登録と報告の義務が決まっています。どちらがよいかは、物件と状況しだいです。契約の前に、期間と報告の頻度を確認してください。
Q. 契約したあとに、やめることはできますか?
自宅を不動産業者に売る契約は、クーリング・オフができません。契約の前に、内容を理解してください。迷ったときは、188に相談できます。
Q. 相続登記が済んでいなくても、査定は受けられますか?
査定の段階で何が必要かは、会社により異なります。売買の登記には、名義が必要です。先に相続登記を済ませるのが確実です。※確認中: 相続登記前の査定の可否は会社ごと
Q. 再建築不可でも売れますか?
売れるかどうかは、会社と物件により異なります。まず、市の担当課で道路の種類と接道を確認してください。認定や許可で建てられる場合があります。
Q. 納税通知書が見つかりません。
市の資産税課で、資産評価等証明書や名寄帳を取れます。長岡市は、1枚300円です(物件数などで変わります)。亡くなった方の名義は、相続人が戸籍謄本などを示して請求します。
Q. 空き家バンクと買取は、どう使い分けますか?
空き家バンクは、市が情報を掲載する制度で、市は交渉や契約に関わりません。買取は、会社が買主になる売り方です。まず空き家バンクに登録し、決まらなければ買取を考える方法もあります。
次に読む
- 新潟の実家が空き家になったら|売る・貸す・壊すの比べ方と、使える制度
- 相続した実家を売ったときの税金|3,000万円控除と新潟の相談窓口
- 空き家を自分で管理する方法|電気・水道、火災保険、点検項目(新潟版)
- 長岡市の空き家バンク|登録の流れ・探し方・家財処分や解体に使える支援
- 空き家の固定資産税は本当に6倍になる?|住宅用地特例と勧告の仕組み
- 新潟で実家を解体する費用の考え方|見積もりの内訳と補助金
- 三条市・燕市・柏崎市の空き家バンク|登録の流れと使える補助
- 見附市・小千谷市・十日町市の空き家バンク|登録方法と家財処分・解体の支援
出典
確認日はすべて2026年10月3日です。
- 国土交通省「標準媒介契約約款」(最終改正 令和6年4月1日) https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001723420.pdf
- 不動産流通推進センター「低廉な空家等の売買等の媒介報酬の特例(改正)」 https://www.retpc.jp/archives/30292/
- 国土交通省「空き家等に係る媒介報酬規制の見直しについて」 https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001749923.pdf
- 不動産流通推進センター「媒介依頼を受けた不動産を、宅建業者が買い取り、転売することの是非」 https://www.retpc.jp/archives/18317/
- 国民生活センター「高齢者の自宅の売却トラブルに注意」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20210624_1.html
- 新潟市「建築基準法の道路について」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/kenchiku/kenchikudoro/kenchikudoro.html
- 新潟県「冬季における空き家からの落雪や倒壊にご注意ください!」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/toshiseisaku/akiya-jyosetsu.html
- 十日町市「冬期間の空き家の適切な除雪と管理」 https://www.city.tokamachi.lg.jp/soshiki/kensetsubu/toshikeikakuka/4/1/8493.html
- 新潟県「新潟県垂直積雪量(積雪荷重)運用基準」 https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/jutaku/1223229707455.html
- 法務局「主な手数料一覧【令和7年4月1日~】」 https://houmukyoku.moj.go.jp/morioka/content/001439200.pdf
- 法務局「登記識別情報は、どのような場合に必要になるのですか?」 https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/000130983.pdf
- 小千谷市「空家に関する相談・問い合わせについて」 https://www.city.ojiya.niigata.jp/soshiki/bousai/akiya-soudan.html
- 長岡市「資産評価等証明書」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/shisan-syoumei.html
- 長岡市「死亡者名義の評価証明を請求したいのですが」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/kotei/qa1-Q4.html
- 長岡市「固定資産税Q&A(納税通知書と相続人)」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/kotei/kotei.html
- 法務省「相続登記の申請義務化について」 https://www.moj.go.jp/MINJI/souzokutouki-gimuka/index.html