実家じまいの進め方
空き家の固定資産税が6倍になる条件|勧告で住宅用地特例が外れる流れ・解体後の税額
空き家の固定資産税が6倍になるのは条件つきです。住宅用地特例(1/6・1/3)、勧告で特例が外れる流れ、解体後に税額が上がる理由を、総務省・国土交通省と新潟市・長岡市の公式ページで整理します。
更新日: 2026-10-02
結論
空き家にしただけでは、固定資産税は6倍になりません。6倍になりうるのは、市の「勧告」を受けて住宅用地特例が外れたときです。家を解体して、敷地に住宅がなくなった場合も外れます。
6倍は、小さい住宅用地(200㎡以下の部分)での数字です。200㎡を超える部分は3倍です。実際の税額は、負担調整措置などで変わります。最後は市の資産税課か、税理士に確認してください。
この記事で分かること
- 住宅用地特例(1/6・1/3)とは何か
- 「6倍」の中身
- 勧告で特例が外れる流れ(特定空家等・管理不全空家等)
- 解体すると税額が上がる理由
- 新潟市・長岡市の問い合わせ先
早見表
| 状況 | 住宅用地特例 | 根拠 |
|---|---|---|
| 空き家になっただけ | 外れない | 総務省・国土交通省の説明 |
| 市から「指導」を受けた | 外れない | 国土交通省の資料 |
| 市から「勧告」を受けた | 外れる | 新潟市・長岡市 |
| 家を解体して更地になった | 外れる | 長岡市・新潟市 |
| 建て替え中 | 要件を満たせば申請で対象 | 新潟市 |
住宅用地特例とは
土地の固定資産税には、「住宅用地特例」があります。家が建っている土地の税金を軽くする仕組みです。
総務省のページでは、次のように説明されています。
- 200㎡以下の部分は、課税標準額が価格の6分の1
- 200㎡を超える部分は、課税標準額が価格の3分の1
新潟市も長岡市も、同じ率を案内しています。対象は、住宅の延べ床面積の10倍までの土地です。
税額は「課税標準額×税率」で決まります。標準税率は1.4%です(総務省)。
「6倍」の中身
6倍は、この特例が外れたときの計算から出てくる数字です。
特例があると、課税標準額は価格の6分の1です。外れると、価格そのものになります。つまり、200㎡以下の部分は、課税標準額が6倍になります。200㎡を超える部分は、3倍です。
仮の数字で考えます。
- 土地の価格(評価額):1,200万円(200㎡以下とします)
- 特例あり:課税標準額200万円 × 1.4% = 2万8,000円
- 特例なし:課税標準額1,200万円 × 1.4% = 16万8,000円
これは、仕組みを説明するための仮の計算です。実際の税額は、負担調整措置(税負担をゆるやかに上げる仕組み)や、市の評価で変わります。総務省のページにも、負担調整措置があると書かれています。
都市計画税がかかる地域では、別に計算されます。長岡市のページでは、都市計画税の特例率は、200㎡以下で3分の1、超える部分で3分の2です。
自分の土地の税額が、特例なしでいくらになるかは、市の資産税課に聞いてみてください。※確認中: 個別の試算の可否と窓口
特例が外れるのは、どんなとき?
特定空家等として、勧告を受けたとき
空家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)には、「特定空家等」という区分があります。周囲に著しく悪い影響を与えるおそれのある空き家です。
特定空家等には、市区町村が「指導」をします。直らなければ「勧告」をします。その先に「命令」や「代執行」もあります(国土交通省)。
新潟市の住宅用地特例のページには、勧告の対象となった特定空家等の土地には、特例が適用されないと書かれています。
管理不全空家等として、勧告を受けたとき
改正空家法は、令和5年12月13日に施行されました(国土交通省)。放置すると特定空家等になるおそれがある空き家が、「管理不全空家等」として加わりました。
国土交通省の資料では、流れは次のとおりです。
- 市区町村長が、管理不全空家等の所有者に「指導」をする
- それでも改善しなければ「勧告」ができる
- 勧告を受けると、敷地の住宅用地特例が解除される
長岡市の空き家対策のページにも、同じ内容があります。特定空家等や管理不全空家等に認定されて勧告された場合は、敷地の特例が解除されます。
特例が外れるのは、勧告を受けたあとです。指導の段階では、外れません。
いつから税額が上がる?
固定資産税の賦課期日は、1月1日です。他の自治体の公式ページでは、次のように案内されています。
- 越生町(埼玉県):勧告後も改善されないまま1月1日を迎えると、次年度から特例が外れる
- 宮古市(岩手県):1月1日時点で勧告を受けている敷地は、特例の対象から外れる
新潟市・長岡市のページには、勧告から税額が上がるまでの時期の記載を確認できませんでした。※確認中: 勧告から税額が上がる時期(新潟市・長岡市)
住めない状態の家
市町村によっては、居住の見込みがない家を、住宅用地として扱わない場合があります。宮古市のページには、構造上、住宅と認められない状態などが挙げられています。
新潟県内の各市で、同じ取り扱いかどうかは確認できませんでした。※確認中: 新潟市・長岡市の取り扱い
解体すると、税額が上がる理由
勧告を受けていなくても、解体すれば特例は外れます。住宅がなくなるからです。
長岡市のQ&Aには、次のように書かれています。
- 家を取り壊した翌年から、その家(建物)の固定資産税は課税されません
- ただし、取り壊した家が住宅の場合、土地は住宅用地の特例から外れます
- 結果として、土地の税額が上がる場合があります
見るべき日は、1月1日です。長岡市は、建て替え中で1月1日に住宅がないと、特例が適用されない場合があると案内しています。ただし、次の条件をすべて満たす場合は、建替え特例が適用されます。長岡市のページは、令和6年に住宅を壊した場合を例に、条件を示しています。
- 建て替えが、建て替え前と同じ敷地で行われている
- 壊した年の1月1日時点で、その土地に住宅が建っていた
- 壊した年の翌年の1月1日時点で建設が着手されていて、その翌年の1月1日までに完成する
- 土地の所有者が、壊した年の1月1日と翌年の1月1日で、原則として同じ人である
- 建て替え前と建て替え後の住宅の所有者が、原則として同じ人である
条件に当てはまるかは、資産税課に確認してください。
新潟市のページも、1月1日に住宅の建設が予定されている土地や、建設中の土地は、住宅の敷地とはされないと説明しています。建て替え中として一定の要件を満たす場合は、申請で住宅用地として扱われます。
災害で家がなくなった場合は、別の扱いです。新潟市では、他の建物の敷地になっていなければ、2年間は住宅用地として扱われます。長期避難の場合は、3年間です。
解体したら、届け出も必要です。長岡市は、資産税課か最寄りの支所に連絡するよう案内しています。登記されている建物は、法務局で滅失登記も必要です。新潟市のページには、取壊しの届出のオンライン手続きがあります。
国土交通省の資料には、空き家を残している理由のアンケートがあります。「取り壊すと固定資産税が高くなる」は、選択肢の一つです。
解体や売却を考えるときの注意
税金だけで、解体か保有かは決められません。解体費、跡地の使い道、売れやすさも関わります。
一般論として、次の点を確認すると安心です。
- 解体は、1月1日の前後で、翌年度の税額が変わる可能性がある
- 市の解体補助は、市ごとに条件が違う
- 売却する場合は、譲渡所得の税金も別に考える
売る・貸す・壊すの比べ方は、新潟の実家が空き家になったらにまとめました。売ったときの税金は、相続した実家を売ったときの税金をご覧ください。
勧告を受けないために、できること
勧告は、放置された空き家に対して出されるものです。国土交通省の資料では、所有者が定期的に、換気、通水、庭木の伐採などを行うことが、管理の例として挙げられています。自分で管理できない場合は、空家等管理活用支援法人などに委託する方法もあります。
新潟市のページは、自治会や近所の人に連絡先を伝えておくことも、地域の安心につながるとしています。管理の手順は、空き家を自分で管理する方法で説明しています。
市から通知が届いたら、早めに窓口へ相談してください。
新潟市・長岡市の問い合わせ先
新潟市
- 固定資産税:財務部 資産税課(古町ルフル3階) 電話025-226-2266
- 空き家の相談:建築部 住環境政策課 空き家対策・活用推進室 電話025-226-2813
担当区ごとの分室の案内は、市の「固定資産税・都市計画税」のページで確認してください。
長岡市
- 固定資産税:資産税課 電話0258-39-2213
- 空き家の相談:都市整備部 都市政策課 住宅政策担当 電話0258-39-2265(各支所でも相談できます)
受付時間や最新の案内は、各市の公式ページで確認してください。
よくある疑問
空き家にしただけで、6倍になりますか。 なりません。勧告を受けるか、住宅がなくなる(解体など)ときに、特例が外れます。
特例が外れたら、全部が6倍ですか。 200㎡以下の部分は課税標準額が6倍、超える部分は3倍です。実際の税額は、負担調整措置などで変わります。
指導を受けただけで、税金は上がりますか。 国土交通省の資料では、特例が解除されるのは勧告のあとです。指導の段階では、特例は外れません。
勧告を受けたら、元に戻せますか。 新潟市・長岡市の公式ページでは、解除の条件を確認できませんでした。市の窓口に確認してください。※確認中: 勧告後に特例が戻る条件
家を解体すると、税金は安くなりますか。 建物の固定資産税はなくなります。ただし、住宅用地特例が外れるため、土地の税額は上がる場合があります。差し引きの額は、資産税課で確認できます。
災害で家がなくなったときは、どうなりますか。 新潟市では、他の建物の敷地になっていなければ、2年間は住宅用地として扱われます。
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出典
確認日はすべて2026年10月2日です。
- 総務省「地方税制度 固定資産税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_15.html
- 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第50号)について」(解説資料) https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001621265.pdf
- 国土交通省「空き家対策 特設サイト」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/articles/2024020105.html
- 新潟市「住宅用地に対する課税標準の特例」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/zei/siraberu/koteishisan/juutakuyouti.html
- 新潟市「固定資産税・都市計画税」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/zei/shinkoku_todokede/kotei_toshi.html
- 長岡市「住宅が建築されている土地は、税金が安くなるのですか」(更新2025年4月1日) https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/kotei/qa2-Q4.html(確認日: 2026-10-04)
- 長岡市「家屋を取り壊した場合は」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/cate02/kotei/qa3-Q4.html
- 長岡市「長岡市の空き家対策」 https://www.city.nagaoka.niigata.jp/kurashi/life03/akiya-taisaku.html
- 新潟市「空き家の管理の方法」 https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/jyutaku/akiya/tekiseikanri/kanri.html
- 岩手県宮古市「管理不十分な空き家などの土地に適用している住宅用地特例の見直し」 https://www.city.miyako.iwate.jp/gyosei/soshiki/zeimu/2/3/406.html
- 埼玉県越生町「特定空家・管理不全空家等の敷地の固定資産税について」 https://www.town.ogose.saitama.jp/kamei/zeimu/kazei/gyomuannai/koteisisanzei/3452.html